ノロウィルス対策セミナーに出席しました
- koyake
- 2017年10月19日
- 読了時間: 3分
今回のセミナーで学んだこと
【①ノロウィルスの特徴としての症状】
このウィルスは人の腸管のみで増殖する。ウィルスに汚染された物(主に二枚貝)を食べることで感染する経口感染、感染者に直接または間接的に接触し不用意に自分の粘膜周辺を触ることで感染する接触感染、適切な処理をされずに乾燥したウィルスが空間を漂いそれを吸い込むことで感染する飛沫感染など、複数の感染ルートがある。
感染すると24~48時間激しい嘔吐、下痢、腹痛が発生。ときに発熱(38℃前後)、頭痛、筋肉痛を伴うという。症状は1~3日ほど続くが後遺症はない。免疫の弱い高齢者や子どもは症状が長引くこともある。下痢を伴うので脱水症状になることがある。
このウィルスの感染で重篤化する場合の多くは合併症によるもの。嘔吐物が喉に詰まって窒息したり、肺に流れて肺炎を起こし死亡するケースも報告される。病院や老人施設に多い。
一度感染した患者でも繰り返し感染・発症もする。原因は同じ型でもウィルス粒子表面が少しだけ変異して起きる抗原性変化により感染して免疫がついても変化したウィルスには免疫が作用しなくなる。そのため、ノロウィルスに効果のある特効薬や予防薬は今のところ存在しない。
【②最近のウィルス情報】
このウィルスにはGⅠ群~GⅤ群まで5種類の遺伝子グループが存在し、実際に人に感染して胃腸炎を起こすのはGⅠ群・GⅡ群・GⅣ群の3つ。感染の多い遺伝子グループはこの内のGⅠ群とGⅡ群で、あらに遺伝子型でGⅠ群に9種類、GⅡ群に22種類の遺伝子型が存在する。31種類それぞれ抗原体が異なる。検出された中の内訳で最も多いのがGⅡ型である。GⅡ型は感染力が高いわりに発症率は低い。不顕性感染の多い型でもある。
【③衛生に関する話】
WHO発表、全世界で毎年およそ17億人が下痢性疾患を発症し、76万人ほどの子どもがなくなっている。このほとんどが汚染された食品や水によって起こっている。
【④感染と食中毒の違い】
感染とは、体内に「有害な微生物」が侵入して増殖して起こる健康被害のこと。一方、食中毒は「有害な微生物・有害な物質」を食べることによって起きる健康被害のこと。
【⑤事例と対策】
昔の食中毒の発生状況は菌量が多くないと発症しないものが上位にきていた。近年では減少傾向にある。その大きな要因はやはり衛生管理の向上といえよう。しかし最近は菌量が少なくても発症するものが増えてきている。
【⑥飛沫感染データ】
床・壁への飛散距離(高さ1.6mの距離から模擬嘔吐物を落下させたときの飛散範囲)は、カーペットの場合は落下地点から半径1.6~1.8mほど。塩ビ床の場合は落下地点から半径2.3mほど飛散する。
【⑦まとめ】
ウィルスに一番有効なものはやはり日々の衛生管理。石鹸自体にウィルスを失活化する効果は残念ながらないが、汚れを落とすことにより付着したウィルスを剥がれやすくできるという。しっかり丁寧に手を洗い、考課のある薬剤で消毒、感染しない配慮をし、もしものために対処法の練習をしておくことが大事だろうと思う。
営業1課 小林
Comments